シンプルラーニングとは?



「フェルデンクライス・メソッド」をリハビリテーションやケアに応用する


 シンプルラーニングは「フェルデンクライス・メソッド」や「キネステティク」などの学習法や、その他様々な理論を応用して作られた「動きの学習」の概念です。

 人が何かを達成しようとしたり、やりたいことをより上手く、より良くしようと思ったときは「学習」をしていきます。「学習」はある程度の条件が整ったときに、不可能だったことが可能となったり、より効果的に実践できるものです。

 

 シンプルラーニングのコースでは、もともと人に備わっている「学習できる能力」に着目し、それをより効果的に引き出すことで、動きの改善や諦めていた動きを可能にしていくプログラムです。

 

 コースでは体験を重視し、自分の身体やペアになった人の身体をハンドリング(動きを引き出す)したりしながら学習を深めていきます。体験が先行するので難しいことを覚えてから行う必要はありません。「動きの学習」に興味のある人であればどなたでも気軽にご参加いただけます。


シンプルラーニングの概念


1学びの視点

 人がより効果的に学ぶ条件を知ることによって、自分自身の学びを深めることに利用したり、関わる相手がより学ぶ条件を整えることが可能となります。

 

 コースでは体験を通し、より具体的な学びの体験を通しながら自分自身の学習を感じたり、関わった相手の変化を感じたりすることで学習を深めていきます。

 

 例えばストレッチやマッサージとは次元の違う「学習による身体の心地よさ」や「動きやすさ」を体感したり、相手に体感してもらったりすることが可能となります。ハンドリング以外にも環境との関わりやコミュニケーションに関わる内容も含まれます。


2動きの視点

 人は生きている限り動いています。だからこそ動きそのものは当たり前になり、簡単になればなるほど無意識での活動となります。しかし、動けなくなったとき、痛みなどの原因で動きを改めて質の面から捉えようとしたときに、思ったより「動きを知らない」ことに気付きます。

 

 シンプルラーニングでは、重力のように当たり前に存在するものから、当たり前に存在しているが気付いていない動きにも目を向け、より独自性の高い内容で動きそのものを見つめ直します。

 

 より楽に、より自由に動こうとするときは、ヒトの動きについて知ることで目指すことが可能となりますし、リハビリテーションなどで提供することが可能となります。


3関わりの視点

 「動きの学習」を実践するということは、関わる相手が存在するということになります。関わる相手がいるということは、自分と相手が影響を受け合う関係になります。

 

 シンプルラーニングでは、自分自身の在り方を見つめることから関わりそのものを学んでいきます。

 

 多くの人は相手に変化を期待します。例えばリハビリテーションの場面では「もっと~~ができるようになってほしい」「頑張れば~~をできるようになる」といった具合です。しかし、自分自身の関わりを変えたり、より質の高いコミュニケーションやハンドリングスキルを身につけていくことが結果として相手に変化をもたらすプロセスとなります。当然自分自身の学習にもつながりますし、「自分と相手」「介護者と介護を受ける人」「リハビリスタッフと対象者」という関係がお互いを高め合う存在になれることを実感できるようになります。